逃げて逃げて逃げまくれ!人生の自由度を引き上げる『逃げる』技術

Man running on a path into the woods

戦略的な「逃げ」を身につけよう!

「逃げてはいけない」「逃げても解決しない」という言葉を他人から言われたり、自分自身に言って聞かせている人は多いのではないでしょうか。しかし残念ながらそれは嘘です。むしろ逃げないことで解決していない問題は山のようにあります。

とはいえただ闇雲に逃げるだけでは、逃げても解決しない問題が悪化する危険もあります。そこでここでは戦略的に逃げることを選び、人生の自由度を引き上げる「逃げる技術」を提案します。

「逃げないこと」は正しいのか?

漫画やアニメの主人公は得てして問題から逃げずに立ち向かいます。しかしそもそも「逃げないこと」は全面的に正しいわけではありません。

例えば仕事がよくできて、周囲からも頼られるAさんが、あるプロジェクトを任せられたとしましょう。このような人はたいてい責任感が強く、重要な業務を自分で背負いこんでしまいがちです。Aさんも頑張り過ぎてしまい、最終的に体調を崩してしまいます。

周囲の人間はAさんを頼りすぎてAさんがいなければプロジェクトの仕事が進められません。これもAさんが責任感や義務感から逃げなかったために起きた事態です。

このような極端なケースでなくとも、私たちは必要以上に逃げずに立ち向かうことを肯定しすぎています。逃げないことは必ずしも正しくありません。大切なのは上手に逃げる技術を使うことなのです。

どうして逃げられないのか?

Living the busy life

ではどうして逃げられないのでしょうか。経営コンサルタント・祟史(そう・ちかし)さんは、その理由として次の7つを挙げています。

1.「NO」と言えない、頼まれると断れない。
2.優先順位を付けられない。
3.自分の本来の役割と周囲の期待を理解していない。
4.自分の時間を自分でデザインしていない。
5.発生した仕事に受け身・後手で対応している。
6.良い仕事を目指しすぎる。
7.大事なことほど一人でやろうとする。
引用:『逃げる勇気』p16

この中には3つの大きな問題点が含まれています。

第一に主体的に行動できていないという問題です。周囲から「頼れる人」「良い人」と見られたい。そうした他人の評価に依存して受け身で仕事をしている人はその度に自分を消耗し、挙げ句の果てに「俺はこんなに頑張っているのに、誰もわかってくれない」と居酒屋でグチる羽目になります。そうした「他人の評価」「周囲の声」から逃げ、主体的に仕事を選ばなければなりません。

第二に「求められていること」を正確に把握できていないという問題です。求められていることが把握できていなければ、必要以上に仕事のクオリティやスピードを上げたりして、ここでも自分を消耗してしまいます。

自分の消耗を最低限に食い止めるためには、どの程度やれば十分なのかを正確に捉え、「完璧な仕事」という理想像から逃げる必要があります。

第三に過度な義務感と責任感に振り回されているという問題です。義務感や責任感が全くなければ問題ですが、それが過度なものになると先ほど例に挙げたAさんのように組織のパフォーマンスを低下させてしまいます。

これでは何のための義務感・責任感かわかりません。時には自分の中から湧き上がってくる義務感や責任感から逃げ、周囲を頼ることも必要です。

以下では仕事を中心に具体的な逃げる技術を解説していきましょう。

避けたいことから逃げる技術

Businessman sitting on leather chair with hand on back

まずは「本来避けたいのについつい引き受けてしまうこと」から逃げる技術です。この「ついつい」は「断ったら嫌われないかな(評価が下がらないかな)」という感情から来ています。

こうした他人の評価に向き合わずに逃げるためには、引き受けるかどうかの「軸」を持たなければなりません。この軸はどんなものでも構いませんが、祟さんの例を参考にすると以下のようなものが挙げられます。

・自分に余裕があるかないか。
・自分にとって簡単か、難しいか。
・自分にとってメリットがあるかないか。
・自分の部署や家族など、大切なものにとってメリットがあるかないか。
・過去にお世話になった人からの頼みごとかどうか。
・自分しかできないことかどうか(他の人でもできないか)。

こうした軸を持っていれば、軸から外れる頼みごとは全て割り切って断ることができます。もちろんただ単に「できません」と断ると角が立つ危険もあるので、断るときはあくまで相手を尊重しているというアピールを心がけましょう。

面倒なことを他人に投げる技術

business documents on office table with smart phone
どうしても処理しなければならない仕事で、かつ自分ではやりたくない仕事を他人に投げて、自分はやりたい仕事・やるべき仕事に打ち込むためには「うまく助けてもらう」必要があります。そのためにやるべきことは次の4つです。

・「助けてあげたい人」になる。
・「どうしてあなたにやって欲しいか」を伝える。
・「やってくれると、どう助かるのか、何がありがたいのか」を伝える。
・「何を、どの範囲とレベルでやって欲しいか」を具体的に伝える。

キャリアサプリでは以前「助けてもらって心を掴め!メンタリストに学ぶ人間関係術」の中でメンタリスト・DaiGoさんが提唱する助けられる人の法則を紹介しました。1つ目についてはこの内容を参考に、少しずつ自分の習慣を変えていきましょう。

2つ目以降は頼みごとの内容と目的を明確にする作業です。相手の立場になってどう言われたら頼まれたくなるのかを考え、試行錯誤しながら自分なりの「投げる技術」を身につけていきましょう。

テキトーに済ませる技術

Business people using digital tablet at meeting

「テキトーに済ませる」と言うと罪悪感を感じる人もいるかもしれませんが、そういう人ほど「逃げられない」人が多く、義務感・責任感の強い傾向にあります。自分の理想とするスピードやクオリティを適正なものに調整するためにはテキトーに済ませるという意識が必要です。

そのために必要なのはゴールとやり方の見直しです。高く、あるいは遠くなりすぎた自分のゴールを適正にするには、仕事や頼まれごとに対する棚卸しをしなくてはなりません。

・何のためにやるのか?
・本当に自分がやるべきことか?
・設定したゴールはどこか?なぜそこがゴールなのか?
・ゴールのレベルを下げると何か問題が起きるのか? など

こうした普段は意識しない疑問を投げかけていくと「こんなに高いレベルのゴールは必要ない」というケースが見つかるはずです。その場合は直ちにゴールを設定し直し、無駄に自分の時間を使わないようにしましょう。

これはやり方の見直しでも同様です。当たり前だと考えているやり方も棚卸しすれば無駄が見つかったり、必要以上の手間をかけているところが見つかる可能性があります。一見別々の仕事に思えても、まとめて対応したほうが効率的だったり、同時並行で処理したほうが早く片付く場合もあります。

「1つの仕事に面と向かって取り組むのが当たり前」と思っている人は「400の仕事を同時進行するデザイナー・佐藤オオキに学ぶ最速仕事術」を読んで、同時並行で仕事を処理することの大切さを知りましょう。

あらゆることから逃げる

ここまで仕事を中心とする「逃げる技術」について解説してきましたが、これは人生全般においても同じです。中国春秋時代の兵法書『孫子』には「三十六計逃げるに如かず」という言葉があります。

これは万策を尽くしてもダメならば、逃げるのが一番だという意味です。確かに苦難から逃げずに立ち向かう漫画やアニメの主人公はかっこいいかもしれません。しかしそれは負けないからかっこいいのです。主人公ではない私たちは立ち向かうだけでなく、「逃げる技術」も身につけておくべきでしょう。

参考文献『逃げる勇気』
Career Supli
自分を守るためには逃げることも重要です。
[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部

Man running on a path into the woods