これから英語を学ぶのは得なのか、本気で考えてみよう!

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まだ「英語がなくっちゃね」とか言ってるの?

2010年、楽天ホールディングスとファーストリテイリングが時を同じくして「英語社内公用語化」を宣言。2015年の6月にはホンダが英語公用語化を打ち出しています。日本の大手企業に見られる英語公用語化ですが、これを見て「やっぱり英語がなければダメだね」なんて言っているようでは大損をするかもしれません。

なぜなら元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞氏の著書のタイトルが示すように「日本人の9割に英語はいらない」からです。以下では7つの視点から英語学習の必要性を考えます。

「使える英語」は現場以外で学べない

New York City Manhattan Times Square
「学校で勉強する英語は役に立たない。英会話やTOEICを学んで使える英語を身につけよう」

このような言い方がされるようになって久しいですが、残念ながら英会話でもTOEICでも「使える英語」は手に入りません。ビジネスシーンで必要なのはいわゆるビジネス英語だけではなく、私たちが日本語で交わすような日常英語です。

映画の内容について話したり、時にはお酒を飲みながら哲学論議ができるレベルになければ、英語でマネジメントをすることはできません。しかし英会話やTOEICではある程度までの学習ができても、いざという時に「使える英語」は学べないのです。いくらお金と時間をかけても、です。

覚えた英語を使う機会なんてほとんどない

しかも悲劇的なことに、たいていの人間に「使える英語」を使う機会は訪れません。成毛氏は前掲書で在留外国人や外資系企業のビジネスパーソン、観光業の従事者や新幹線の車掌などを含む「日本人で英語が必要だと思われる人口」の試算をしています。その数字は1億2,751万人中1,279万人。つまり1割です。

実際筆者もこれまでの人生で英語が必要になったのは、兄の高校の交換留学生が2度ホームステイにやって来た時くらいです。これはこれまでの人生を30年とすると、15年に1度の割合になります。死ぬまでにあと6回英語を話せば多い方でしょう。

あなたはその1割に入る人間か?入らない人間か?

『COURRiER JAPON』は2015年の10月号で「海外に転職して活躍できる人、日本で働くほうが幸せになれる人」という特別対談を掲載しています。話し手は日本オラクルや日産自動車のほか、アジア7カ国での就職活動の成功体験がある森山たつを氏と、ゴールドマンサックスやライブドア証券取締役副社長の経歴を持つ塩の誠氏。この中で2人が話す「海外に転職して活躍できる人」の条件は以下のとおり。

・海外基準のざっくりとしたルールに適応できる。
・苦難を乗り越えるほどの新天地に強い憧れを持っている。
・土木や建築、飲食などの何らかの専門性を持っている。
・海外に出るための明確な目的がある。 など

逆に「日本の環境が好き」という人は日本で働く方が幸せだとしています。日本人で英語の必要に迫られるのは、特殊な環境(外国人観光客の多い土地で商店を経営するなど)にいる人を除けば海外で働いている人か、外資系企業で働く人くらいです。さてあなたは英語が必要な1割に入る人間ですか?入らない人間ですか?

英語は下手でも困らない

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塩野氏は前掲記事の中で「『海外では語学ができれば何とかなる』というのは日本人に多い勘違い」だと言います。「『英語下手ですが何か?』くらいの気持ちで」あとは勉強して頑張ればいいと言うのは森山氏。

また2人の話によれば非英語圏の出身者はフランス人やドイツ人でも英語に苦手意識を持っている人も少なくないのだとか。始めから完璧な英語を話す必要性は、どこにもないのです。

一流が挙げる「20代・30代でするべきこと」に「英語学習」はない

成毛氏の前掲書によれば、日本人が中高で英語学習に費やす時間は900時間にも及ぶそうです。今から英語学習をするとなると、合計で1,000時間以上を英語に費やすことになります。しかし私たちは今そんなことをしている場合ではないのです。

出版プロデューサーとして活躍する川北義則氏の著書『「20代」でやっておきたいこと』にも、お金や幸福についての著書が多い本田健氏の『20代にしておきたい17のこと』などには「英語学習」の文字はありません。

さらに「30代でするべきこと」に目を移しても、一流の人々があげるそのリストには「英語学習」は載っていません。つまり20代・30代にとって英語学習はあらゆるするべきことの後にある、優先順位の低いものなのです。

英語よりももっと役にたつビジネススキルはいくらでもあります。今はそれに打ち込むべき大事な時なのです。

世界の言語別使用人口ランキング1位中国語、3位ヒンディー語

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「自分は海外で活躍したいから英語が必要だな」と思った人もまだ再考が必要です。『TIME ALMANAC』誌の2005年版によれば世界の言語別使用人口は1位が「中国語」で10億7,500万人、2位が「英語」で5億1,400万人、3位がヒンディー語(インドの公用語)で4億9,600万人となっています。つまり英語よりも圧倒的に中国語の方が役に立つ可能性が高く、英語を学ぶのであればヒンディー語を学んでも言語別使用人口で言えば大差ないというわけ。

さらに中国とインドは現在最も経済的にアツい国々でもあります。中国は内需拡大に舵を切り、IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)は2016年までにインドが中国の経済成長を上回ると予測しています。さて本当に次に学ぶべき外国語は英語なのでしょうか?

「リアルタイム機械通訳」があれば言語が話せるかどうかは関係なくなる

2014年、マイクロソフト社は「Skype Translator」を発表しました。「音声を文章に変換し、文章を翻訳し、音声として出力する」という一連の作業をほぼリアルタイムで行う機械翻訳ツールです。搭載されているのは最新の研究によって生み出された人工知能で、使えば使うほどよりスムーズな翻訳ができるという代物。

現在プレリリース版としてダウンロードが可能な「Skype Translatorプレビュー」ではインスタントメッセージの翻訳で50カ国、音声翻訳では英語、スペイン語、イタリア語、中国語の4カ国の言語がサポートされています。もちろんまだ機能にも性能にも限界があります。しかし今後開発が進めば、外国語が話せるかどうかはビジネススキルの1つにも数えられなくなるかもしれません。

もう英語を勉強するのは、やめよう

こうして7つの視点から英語学習について考えてみると、やはりもう英語学習は必要ないのではないかと思わざるをえません。私たちは英語学習よりも、もっと重要なことに時間をかけるべきです。

それはマネジメントスキルかもしれませんし、旅行かもしれません。転職や企業かもしれませんし、恋愛や子育てかもしれません。しかし少なくとも私たちがするべきは英語学習ではないのです。

参考書籍
『日本人の9割に英語はいらない』
『COURRIER JAPON』2015年10月号
Career Supli
英語に関しては使う必要がある人とない人で、大きく分かれると思います。ただ現状では、英語ができないとアクセスできる情報量が大幅に減るというデメリットがありますので、その点は認識すべきポイントです。先週とあるBARでピクサーの人が隣に座っていてテンションあがったんですが、英語力がないため深い話ができずに悲しい思いをしました。よく考えて必要であれば時間を投資しましょう。
[文・編集] サムライト編集部

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