Contents
急速にすすむリモート化にともなう変化
コロナ禍で、これから10年かけて起こると言われていたデジタルシフトが一気に進みはじめています。
FinTechに代表される〇〇Techと言われる目新しいWebサービスやライブ配信サービス、大規模IT投資など、次世代の社会や働き方への変化もあり、企業のDX推進(デジタルトランスフォーメーション)が急速に加速しています。
そんな中で、エンジニアやクリエイティブ職種など、Web系の求人はどのように変化しているのでしょうか。そもそも今は転職をするべきタイミングなのでしょうか。
業界の最新事情に詳しいLHH転職エージェントの山口 雄也さんにお話を伺いました。
Web系の求人は選択肢が広がっている

ーWeb系の求人ではどのようなトレンドがありますか?
数年前までは、Web系の求人は制作会社か、事業会社の自社Web担当の求人がメインでしたが、ここ1~2年で大きく変わってきました。
ーどのような変化があったんですか?
職種や求めるスキルが多様化しています。モバイルアプリを開発している企業や、クラウドサービス、〇〇Tech等、Web系のサービスを手掛ける企業の成長が著しく、関連した求人が増えていますね。
また、求人の内容もかなり細かくなっています。企業によっては「〇〇ツールを使いこなせる人や〇〇の言語、フレームワークの経験がある人」など、具体的な要望もあります。スキルのみならず、ビジョンに対する共感などが求められることも多くなってきました。
ー例えばどんなツールがありますか?
企業によりますが、例えばWebディレクターの方であれば、Google AnalyticsやAdobe XDなどのツールの使用経験、デザイナーの方であればIllustratorやPhotoshopなどのAdobeツールなどが重要になるケースが多い印象です。
エンジニアの方であればRuby on RailsやGo言語などがニーズの高い言語になっています。JavaやPHPに関しても引き続き強いニーズがあります。また、Marketo(マルケト)などのMA(マーケティングオートメーション)ツールの使用経験があれば、優遇されることもあります。
いま求められているWeb能力とは?
ーツールを使いこなせる以外にどんな能力が評価されますか?
職種や業界の多様性にともなって、情報量が増加しているので、トレンドを身につけるために外部に出る姿勢が重要だと思います。企業を超えた勉強会やミートアップに参加してみてください。弊社でも、職種に特化した交流会などを開催しています。
また将来的にマネジメントへ進みたい方は、後輩の育成やメンバーの進捗管理などの経験を積むことも評価されるポイントになります。
ーいざとなったら自分で作れる人のニーズは高いのでしょうか?
そうですね。基本的な制作進行管理に加えて、提案ができる、デザインができる、数字の管理ができる、もしくはコードが書ける、といったプラスアルファを求められることが増えてきました。開発やWeb制作に関しては、一部でも内制できればコスト削減になります。スピーディに対応しなければいけない場面でも、重宝されると思います。
ーWeb系人材の転職で、一番重要視されるポイントはどこですか?
企業にどのような貢献ができたのか、わかりやすく数字で語れると強いですね。業務上の課題に対して、どのような戦略を立てて改善をして、どのような数字(成果)を出せたのか。コンバージョン数やPV数などの、具体的な目標数字をどう達成できたのかを示す必要があります。
また、マネジメント経験のある方であれば、マネジメントした人数やプロジェクト規模などもあると、書類選考での加点要素になる場合が多いです。
ー普段の業務からその部分を意識しておくと良さそうですね。
はい、守秘義務で具体的に企業名やサービス名などが出せない場合は、「◯◯のような(〇〇な人向けの)サービスで何パーセント数字や売上を伸ばせた」と語れるように準備をしておくといいと思います。
最近では、応募書類(履歴書、職務経歴書)に加えてポートフォリオを提出する方も増えてきました。事前の面接対策では、そういったアドバイスもさせていただきますので、安心してご相談ください。
Web系人材が自分にあった求人を探す方法

ー転職を希望する人はどんな要望の方が多いんですか?
受託企業から事業会社に移って、一つのサービスにしっかり向き合いたいという方や、大規模サービスに携わりたい方、マネジメントにチャレンジしたい方、ワークライフバランスを重視したい方などさまざまです。
あとは、「あのサービスが好きなので、携わりたい」と企業やサービスを指名で希望する方もいます。
ー業界の技術革新が速く、キャリアプランを描くのが難しいと思うのですが、どうやって設計すればよいのでしょうか?
Web系のキャリアアップにはロールモデルがまだないので、一概にはいえないのですが、何かしら自分で手を動かす経験はしておいた方がいいと思います。数年間、現場で手を動かして、いろんなサイトやサービスをつくっていた経験は評価されます。
逆に自分で手を動かしたことのない人は、キャリアが狭まっていく傾向があります。そういった方は、転職活動の前に、現職を続けながらスクールなどで3~6ヵ月ほどWebに関する実技を学ぶ方もいらっしゃいます。
一番重要なのは、専門性をつくっていくことですね。ここは人には負けないという武器をどうやってつくるか、持っている武器をどうアピールするかを意識してみてください。
ーすぐに転職する気がなくても、転職エージェントに相談して棚卸しを手伝ってもらうのはアリですか?
はい、もちろんです。定期的に転職エージェントに相談して、情報交換をしている方はたくさんいますよ。そうやって自分のマーケットバリューを客観的に把握して、不足している経験やスキルを獲得していくのがおすすめです。
コロナ禍でWeb系人材の転職活動はどう変わるのか
ー緊急事態宣言は解除されたとはいえ、いまは転職するタイミングではないと考える人もいるかもしれませんがいかがですか?
3月から5月の連休明けごろまでは急なリモート移行に対応できず、一時的に求人を取りやめたり、採用スケジュールの遅れる企業もありました。 5月以降は対応できている企業が多い印象です。
もちろんコロナ禍で採用を控えている企業はありますが、このような状況下でも、積極的に採用をしている企業もたくさんあります。
例えば、クラウド系のサービスを手がけている企業や、ライブ配信などどこにいても利用できるサービスはこの状況で急速にニーズが高まっています。企業はデジタルシフトせざるを得ない状況であり、よりIT投資も積極的になることからWeb系の人材ニーズは増え続けていくでしょう。
ーすべての企業が急速にデジタルシフトしていくなかで、それを担える人材は貴重ですね。オンラインが当たり前になったことでの変化はありますか?
まず、ZOOMなどのオンライン会議ツールが身近になったことで、以前よりも気軽に転職エージェントに相談したり、情報交換をしやすくなったと思います。オンラインで30分ぐらい話すとか、そういった気軽な活用も大歓迎です。
LHHでは、『360度式コンサルティング』といわれる、企業側と求職者側の両方に、同じコンサルタントが接点を持つ方式をとっています。そのため、キャリア相談や書類作成アドバイスに加えて、転職市場の市況感や企業の細かいニーズまでお伝えできます。
また、Web系職種に特化したエージェントは実は少ないので、Web系でのキャリアを積みたい方は是非とも相談頂ければと思います。
ー大手の転職エージェントで360度方式をとっているところは少ないですよね。求人やニーズが複雑化するWeb系に特化されている点が心強いです。オンライン面談が増えているとのことですが、気をつけるべきことはありますか?
画面に映り込むもので印象が変わるので、背景やどんなものが映り込むかは意識した方がいいです。回線状況が不安定だったり、カメラの解像度が低かったりするとあまりいい印象は持たれないかもしれません。
照明が後ろからあたる場合は逆光になることもあるので、なるべく正面から光が当たるように調整が必要となります。事前に一度テストをしてみてください。また、画面越しだと相手のリアクションがわかりづらいので、いつもよりも大きめに頷くなどリアクションをすることを心がけてください。
すでにオンライン面談で採用を決めた方によると、いつもよりも自然体で会社に業務内容などを聞くことができたとおっしゃっていました。オンラインだからとあまり意識しすぎずに、リラックスして自然体で臨めば大丈夫だと思います。
ー本日はありがとうございました。
山口 雄也さんプロフィール

大学時代に1年間、インドの不動産会社にて営業&自社Webディレクターを経験。その後、新卒にて国際物流企業での海外営業に3年間携わりました。
LHH転職エージェントではIT/Web/ゲーム業界に特化しキャリアカウンセリングや、企業向け採用コンサルティングを担当。2019年全社トップクラスの成約実績を誇ります。
また、フリーランス紹介サービスの立ち上げ、海外在住エンジニアの日本就業支援、スタートアップ企業の採用コンサルティングなど、新規事業も幅広く手掛けております。
