衝動に従って自分の道を進めばいい!国内屈指のシンガー/フィーメールラッパーCOMA-CHIインタビュー

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【COMA-CHI プロフィール】

中学時代よりボーカリストとして音楽活動を開始。15歳でHIPHOPと出会い、“ラップ”という表現方法を身につけるとその噂は瞬く間にJAPANESE HIPHOP界に広がり、RHYMESTERやZEEBRA、加藤ミリヤなど錚々たる面々からの客演オファーが殺到。B-BOY PARK MCバトルで女性至上唯一のファイナリストの功績を残し、日本語ラップ界のNo.1女性MCとの賞賛を受ける。

アルバム「RED NAKED」でメジャーデビューを果たすと、その類い稀な歌唱力やファッション性にも話題が集まる。さらに近年ではメジャーを離脱し、より自己に忠実な表現を行なうために自らのレーベル/マネジメント「Queen’s room」を設立して精力的に活動を展開。

10年ぶりのフリースタイルバトル

ラップの盛り上がりがすごいことになっていますね。フリースタイルラップバトル番組、フリースタイルダンジョンに出演された反響はどうでしたか?

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画像出典:COMA-CHI officialBLOG

COMA-CHI:けっこう近所の人とかにも見たよって言われました。フリースタイルバトルに出るのは2005年にB-BOY PARKで2位になって以来ですから10年ぶりぐらいですね。

当時バトルに出ていた時は、勝って世に名前を知らしめたくて参加していたんですが、やっぱり相手をディスる(攻撃する)という行為があんまり好きになれず自分には合わなかったので長続きしませんでした。

実は番組開始当初に、モンスターとして参加しないかとZeebraさんからお誘いいただいていたんですが、海の近くでLoveに包まれて子育てしている私には温度差がありすぎて無理だと思ってお断りしました。

久しぶりのバトルは全力でやることが相手への礼儀だと思ってやったんですけど、ディスりたいことが特に見つからなくて、やっぱり自分には合わないなと思いました(笑)

いちファンとしてはCOMA-CHIさんのバトルが久しぶりに見れて嬉しかったです。先日リリースされたアルバム『C−10』いいですね!現在でもLIVEで定番となっている過去の名曲から、Zeebra、KREVA等とのコラボレーション楽曲、さらに新録曲も含めた15曲入りの豪華盤ですが、このタイミングでベスト・アルバムをリリースされた意図はありますか?

デビュー10周年

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COMA-CHI:今年で10周年ということもありベスト版を出すにはちょうど良いタイミングだったのと、ここ数年でファンになってくれた人たちにライブでやっている曲の入ったアルバムはこれだよって答えられるものを作りたいという気持ちがあったので、今ライブでよく演っている曲を軸にセレクトしました。

必ずしも売れた曲ばかりではないと思うのですが、どういう曲がいまもライブで生き残っているんですか?

COMA-CHI:お客さんの反応がいい曲ということもありますが、自分がしっくりくる、伝えたいことがブレてない曲が生き残っている気がします。

何気ない日常の素晴らしさを歌った「beautiful day」や、善悪の二元論を超えて、全てはひとつという壮大なテーマを歌った「oneness」などはまさにそうですね。この曲は人生における究極の答えが詰まっていると思っています。一生歌うんじゃないですかね。

戦争・憎しみ・悲しみなどのあらゆるネガティブな感情はそれが、何かと何かが一つじゃないから起きることで「すべてが一つ」という感覚がすべての人に満ちていたら争いは無くなるんじゃないのかなって。それはとても難しいけど、そうなれますようにという願いを込めて歌っています。

■COMA-CHI – oneness

心の深いところまで届くメッセージ

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歌が上手い人はたくさんいますが、COMA-CHIさんの曲はもの凄くエモーショナルでメッセージが心の深いところまで入ってきます。ご自身ではなぜだと思いますか?

COMA-CHI:どうなんですかね。自分ではよくわからないのですが、ラップをし始めた頃からその時々でこのメッセージを伝えたという思いがあってステージにあがっていました。そこから常に舞台の上で相手に届く言葉を試行錯誤しながら考えています。

育児や子供の話を曲にするのも面白いと思いますが、舞台上から発信した時にそれを共有出来る人は限られますよね。それよりも、もっと多くの人が共感できることを歌いたいという思いはあります。自分が発信する立場である以上、相手の顔は常に見ていたいですね。

初期衝動を大切にする

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アルバムをリリースしてみて、改めてこの10年間の活動をどのように振り返りましたか?

COMA-CHI:10年の中で音楽的に視野がすごく広がったなと感じています。いろいろ挑戦をしてきた10年でしたが根底にある、自分節のようなものは共通してあったのかなと思います。

HIPHOPに対する熱も10年前の感覚が一回りして、すごく出てきている気がします。いろいろな音楽の経験を経ているので以前とは少し違うかもしれませんが、初期衝動のようなものはとても大事だと思います。

アルバムの1曲目の『衝動(sure shot!)』という曲はまさにそういった初期衝動についてラップした曲です。社会のルールや世間の目に縛られて、自分が何をしたいのか自由に表現することが難しくなってきている世の中ではありますが、でもやっぱり私は、はじめに感じた初期衝動、この思いがやっぱり正しい答えだったんだと10年の経験を通して感じました。それを伝えたくてこの曲をつくりました。

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『衝動 (sure shot!)』はシングル・カットされて11月18日にリリースされましたね。元SOIL&“PIMP”SESSIONSの元晴さんのSAXにCOMA-CHIさんの高速ラップが乗ってくるクールな楽曲ですが、シングルカット版には、若手ラッパーの女性ラッパーMC MIRIとCharlesがフューチャリングされたバージョンも収録されています。この二人をアサインした理由を教えてください。

COMA-CHI:いま若手で最も注目している2人の女性ラッパーに声をかけましました。︎ 2人ともラップがイケてて超カワイイ!凄く勢いがあって私が10年前にいたような環境で活動している女の子を見つけました。

『衝動』は10年前にあった自分の中にあった衝動が一回りしたという意味もある。若い子たちの衝動も入れたかったですしこの2人からはエネルギーをもらいました。

新しい場所に飛び込む勇気

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この10年でメジャーとインディーズのを両方経験されていますが、それらの活動を通じてどんなことを学びましたか?

COMA-CHI:メジャーで音楽をやるとインディーズの時では届かないような人たちに届けられるという感じがありますし、いつか肩を並べてみたいと思っていたと考えていた本当に多くのアーティストの方々と一緒にお仕事ができて、そこで曲作りの方法やアティチュード(態度)など多くのことを学ばせてもらいました。

メジャーで音楽をやるということは、売らなければいけない予算があり、そのためのマーケティングがあって普通の会社で商品を売るのと同じです。

その中でスタッフの方々の意見を聞きながらそれを自分なりに噛み砕いて、そこに自分のカラーをフィットさせて作品作りをするのも、楽曲制作における選択肢の一つです。

ただ、私の場合は、何を表現したいかを軸にして、より活動していきやすい場所をつくっていきたいという思いが強かったので、インディーズで自由に活動する方を選びました。

衝動に従って生きることは、今ある心地よい環境から出て、新しい場所に飛び込んでいく必要もでてくるでしょう。恐怖心もあると思います。本当はもっとやりたいことがあるのになかなか決断できない人たちもたくさんいると思います。どうしたら心の声に従って生きることができるのでしょうか?

COMA-CHI:もし踏み出せなくて、なんとなく今の仕事しているのであれば、すごくもったいない。自分の心に嘘をつかないで選択してほしいと思います。

私の場合「俺が出来たからお前もできる」というHIOHOPのメッセージを鵜呑みにしてこの道を進んできました。音楽や映画とかに力をもらってもいい。音楽にはそういう一面もあります。ただ、あくまでも信じるのは誰か憧れの人ではなく自分でいいと思います。

周りの環境もあると思うので、煮詰まっていると思ったら、例えば思い切ってバーンって海外に行っちゃって環境ごと変えるとか。それで道が開けることもあるかもしれません。

『衝動 (sure shot!)』を聞いて初期衝動に従えって感じですかね(笑)
環境が変わるといえば、出産されて大きく環境が変わったと思います。当然音楽に費やせる時間は減ると思いますが、作品を作るアーティストとしてはマイナスではなかったですか?

クリエイターにとっての出産や育児

COMA-CHI:生む前は本当に未知の領域で漠然としたイメージしたなかったのですが自分の人生の中でやっておきたい経験だとは思っていました。実際子どもが生まれてみるとやっぱり大変で、自分のために使える時間は減りますよね。

でも、出産をしたからこそ生まれる感情や理解できることがあり、人間としての幅が広がるので、クリエイターにとって出産や育児はマイナスにはならない、むしろプラスの方が大きいと思います。

具体的にはどんな変化がありましたか?

COMA-CHI:精神的にも強くなりましたし、娘は心の支え、精神的な支柱になってくれています。生活のリズムも子どもにあわせて健康的になり、自炊もよくするようになりましたね。

あとは情報などのへの接し方も変わりますよね。子どもに関係するようなニュースは気になりますし、育児放棄とかのニュース見ると今まで以上に胸が苦しくなります。

世間のニュースということでいうと、一連の不倫報道などもそうなのですが、少しでも間違えた人がいたらみんなで寄ってたかって袋叩きにするような風潮もあり、みんなが自由に発言できるツールはどんどん進化しているのに、思っていることが自由に言いづらい窮屈な世の中になってきている気がしますが、どう思いますか?

COMA-CHI:ネットでそういったことを発言しなければいいんじゃないですかね。ネットはいろんな人がいて中には批判したがる人もいる。ネットはそういった側面があり、リアルとは違う世界であることを認識した方がいいと思います。

SNSとは自分なりの適度な距離をとるのが良いかなと。わたしもtwitterは初期の方から使っていて、以前はリアルとSNSを混同していた時期もありました。

ここ数年でSNSってすごく進化したじゃないですか。数年後には学校でSNSの適切な使い方を習うのが当たり前になるんじゃないですか。

私たちは、そういうインフラがないままいきなりSNSと向き合うことになってしまった世代。だから後から振り返ったらあの頃は、人体実験みたいな時代だったねってなるんじゃないですかね。

SNS疲れという言葉が生まれるぐらい影響を受けていますから、それぞれが適切な距離のとり方は考えるべきですね。今後はどんな活動をしていく予定ですか?

COMA-CHI:今回はベスト・アルバムだったので、全部新曲のオリジナルアルバムを制作していきたいですね。

楽しみにしています!COMA-CHIさんの人気の曲の1つに『B-GIRLイズム』という曲がありますが、B-GIRLイズムとはどういう意味でしょうか。また、キャリアサプリの読者に向けてメッセージがあればお願いします。
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COMA-CHI:B-GIRLイズムとは、世間になんと言われても自分のスタイル、信じる道を突き通すことですかね。自分の生きる道は自分しかわかりません。自分を信じて、衝動に従って前に進んでください。不安だったり気分が落ち込んだ時は曲を聴いたり、ライブに来てください。

最後にアルバムをこれから聞く人に向けて、こう聞いて欲しいといったことがあれば教えてください。

私の場合は歌詞カード見ないとわからないぐらい早口でラップをしているところがあり、一度聞いただけではうまく聞き取れない部分もあると思います。

歌詞にはいろいろな意味やメッセージが隠れているので、ぜひ歌詞カードを見ていただけたらと思います。ブログにも歌詞を掲載しているのでぜひチェックしてください。

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COMA-CHIを知らなかった人はこの機会にぜひアルバムを聞いてみてください。ラップも歌も素晴らしい唯一無二のアーティストです。
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