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地球人のままではできないこと
自由な発想、柔軟な思考、先入観に惑わされない判断。それらを手にいれるためには既存の価値観をあらゆる角度から疑う視点が必要です。コルク代表の佐渡島庸平氏の言葉を借りればそれは「宇宙人的な視点」です。
常識や慣習といったものをそぎ落とし、事象の本質だけを見極めるには地球人のままではできないのです。ここでは「宇宙人的な視点」を手に入れる具体的な方法として「週末バックパッカー」を提案します。ぜひあなたも宇宙人になりませんか?
自分の価値観に揺さぶりをかけろ
佐渡島氏は何か物事の本質について考えるときに「自分が宇宙人だったら、どういうふうに考えるだろう」という宇宙人的な視点を使うそうです。「価値観」や「常識」を客観化し、フラットな視点で物事を観察できるこの感覚を養うためにもってこいなのが、「海外旅行」です。世界の文化に触れると、自分の価値観や日本の常識がいかに一面的なものなのかが直感的に理解できます。
しかし「海外旅行」ともなると時間やお金など様々な問題が頭をよぎりますよね。そこで提案したいのが「週末バックパッカー」。週末だけバックパックを背負って海外に出かける人のことです。
週末バックパッカーになろう!

金曜日の夜に出国し、月曜日の早朝に帰国する。これが週末バックパッカーです。会社に「海外に行ってきます」と報告する必要もなく、ただいつも通り休日を過ごすのと変わらない感覚で海外の文化に触れてくることができます。
格安航空券を使えば大した費用もかからないので、お金の心配も不要。忙しいビジネスパーソンでも、宇宙人的な視点を養うことができるのです。
『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』ではタイや台湾、ベトナムなどのアジア諸国が週末バックパッカーに適した海外旅行先とされています。「でもその辺りなら行ったことあるしなあ」と思った人もいるかもしれません。
しかし普通に旅行に行くのと、週末バックパッカーとして行くのとでは時間的余裕が全く違うため、よりシビアなスケジューリングや目的意識が必要になるのです。
週末バックパッカーになる4つのメリット
前掲書で挙げられている週末バックパッカーになるメリットは以下の4つ。
・限られた時間内で、目的を持つことの重要性を感じる。
・目的を達成するための判断能力・情報収集能力が向上する。
・交渉によって、コミュニケーション能力が高まる。
週末バックパッカーの海外旅行はいわゆる「弾丸旅行」です。その中で滞りなく目的地まで到着するには事前の荷物準備はもちろん、金曜日のフライトに間に合うようにタスクマネジメント・タイムマネジメントを適切に行う必要があります。
また限られた時間の中で「できること」はそれほど多くありません。「今回の旅行の目的は○○」というように目的を絞らなくてはなりません。複数ある場合はそれらに優先順位をつけ、状況次第では下位の目的を切り捨てる判断力も必要でしょう。言語が通じない場所では「どうやって伝えるか」を、地球に初めて来た宇宙人のように考えなくてはなりません。
これらのスキルの向上に加え、現地で様々な文化に触れれば、いかに自分が日頃「日本」という檻に守られているかも痛感できるでしょう。帰国した頃には一皮も二皮も向けているはずです。
週末バックパッカーになる際の注意点
ビジネススキルのアップも見込め、宇宙人的な視点も養える週末バックパッカーですが、注意すべき点が3つあります。
・旅行から帰ってきた後の体力面のマネジメントも考慮する。
・誰かと一緒にはいかない。
1つ目と2つ目は社会人として当然の対策です。職場に迷惑をかけていては、パワーアップしたビジネススキルも宇宙人的な視点も価値がありません。
また週末バックパッカーは決して同僚や恋人と一緒に行ってはいけません。そんなことをすれば目的がぶれてしまったり、現地の人とコミュニケーションをとらずに同行者と話してしまう危険があるからです。「あくまで1人」。これが週末バックパッカーの鉄の掟です。
山ごもりで宇宙人的な視点を手にいれる

海外旅行でも自分の価値観に揺さぶりをかけることができますが、山ごもりでも宇宙人的な視点を養うことはできます。都会では感じられない自然の厳しさや大きさは、海外旅行に勝るとも劣らない刺激を与えてくれるでしょう。
また海外旅行と同様に、山ごもりでもビジネススキルを磨くことができます。山ごもりと言っても野宿ではなく、登山用の軽量テントの中で一夜を明かします。
山の上まで荷物を持って上がらなくてはならないので、山には必要最低限のものしか持って行けません。リュック、テント、飲み水、調理用の水、調理器具、食料、非常食……自分が生きるために必要なものだけです。
また山を登るためには綿密な計画を立てなくてはいけません。登山口までの交通手段等のスケジューリングはもちろん、宿泊予定の場所への到着時間や翌朝の行動予定なども全て立てておきます。
「もしこのタイミングで雨が降ったら」「もし怪我をしてしまったら」などのリスクマネジメントも必須。状況次第では命の危険も伴うため、当初の目的を断念して次の行動に移る判断力も必要です。
このように山ごもりでも十分「宇宙人的な視点」とビジネススキルを磨くことができるのです。「海外旅行はちょっと……」という人は週末を利用して1泊2日の山ごもりに挑戦するのはいかがでしょうか。
週末バックパッカーになって地球人を辞めよう
自分の価値観や世間の常識などの「地球人的な視点」に捉われていても、物事の本質は見えてきません。週末バックパッカーを1度2度と体験して行けばあなたの「宇宙人的な視点」はどんどん養われていきます。
その頃にはきっとここで挙げたようなビジネススキルも磨かれているでしょう。海外でも山でも構いません。今週末、地球人を辞めに行きませんか?
参考書籍
『僕らの仮説が世界をつくる』
『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』
