ITエンジニアがキャリアの選択肢を爆増させるための4つの心得

若いうちの選択肢は多いほどいい

ITエンジニアのキャリアの選択肢には、一つの分野に打ち込むスペシャリストと、いろいろな分野に精通しているジェネラリストの道がある、というのはよく言われる話です。

しかし、たとえば医療分野のITエンジニアのなかにもスペシャリスト、ジェネラリストはいます。5G時代が到来すれば、より広い領域にITが浸透していくわけですから、ますますITエンジニアのキャリアの選択肢は広く、深くなっていくでしょう。

したがって、とくに若いうちは自分の可能性を狭めず、選択肢を増やしていくことが大切です。ではどうすれば選択肢を増やせるのでしょうか。以下ではそのための4つの心得を紹介します。

心得1:仕事以外のネットワークに時間とお金をかける

平日は家と会社の往復。休日は家でダラダラすごすだけ。そんな毎日を過ごしていれば、人間関係も職場で完結していることでしょう。

キャリアの選択肢を増やすという意味で、これほど悪い環境はありません。なぜならさまざまな仕事の存在を知り、同時に自分のスキルがそのフィールドで通用するかを知ることで、キャリアの幅は広がっていくからです。

人間関係が職場で完結してしまっていたら、その会社の事業の領域にしか視野がおよびません。これでは選択肢の増やしようがないのです。

この状態から抜け出すためには、仕事の話ができるコミュニティにネットワークをもつことです。たとえば有料のオンラインサロンに参加したり、クラウドソーシングなどを通じて副業してみたり、といった具合です。

ポイントは「同業者」「他業者」で最低1つずつネットワークをもつこと。同業者とのネットワークでは視野が深まり、他業者とのネットワークでは視野が広がるからです。

またハイレベルな人が集まっている場所(高額セミナーや社会人スクールなど)も、視座を高めることができるのでおすすめです。

心得2:「仕事に追われる」をやめる

ITエンジニアは業務量が多いうえに納期があるため、仕事に追われることが多い職種です。しかし仕事に追われていると、目の前の業務にばかり意識が向きがちです。結果、キャリアの選択肢を自分から狭めてしまいます。

「そんなこと言ったって、山のように仕事があるんだからどうしようもない」と思うかもしれません。でも、方法はあります。

最も根本的な解決になるのは、会社を辞めること。もちろん単に仕事から逃げたいだけの転職はうまくいきません。

しかし努力をし、パフォーマンスを発揮しているにもかかわらず仕事に追われ続けているのなら、会社の経営方針そのものに問題がある可能性があります。

その場合、転職するチャンスは十分あります。いきなり辞めるのはリスクが高いですから、まずは転職エージェントに自分の市場価値を教えてもらうところから始めてもいいでしょう。

「会社を辞めるのはちょっと……」という人は、働き方を変えましょう。上司や同僚にもっと頼る。タスクリストや自分なりのマニュアルを作って作業を効率化する。営業担当などと仲良くなって、融通を利かせてもらうなどです。

一見しただけでは「うちの会社では通用しないよ」と思うかもしれません。しかしそういった思い込みを捨て、ゼロから考えてみれば、何かできることはあるはずです。「仕事に追われる」のをやめ、視野を広げるために今一度考えてみましょう。

心得3:好きなモノ・コトを突きつめる

今後IoTが進展していくにつれ、ITエンジニアの領域は深く、広くなっていきます。これまでITと関連が薄かった分野にも、ITエンジニアのスキルが役立つ場面が増えてくるでしょう。

この時に、自分のなかで突きつめている好きなモノ・コトがあれば、その領域で自分のスキルを役立てられる可能性が生まれます。たとえば釣りやアクアリウムにITを取り入れたり、旧車やヴィンテージバイクといった趣味の領域をITとつなげたりすることも可能でしょう。

あまりにもニッチすぎて誰もやっていないようなら、趣味の一環でサービスを作っても面白いかもしれません。好きなモノ・コトであれば、遊び感覚で挑戦できるはず。

加えて趣味のコミュニティに入ると、さまざまな職業の人と出会えると同時に、自分にはないスキルをもっている人と出会うことができます。

営業が得意な人、ビジネスを創出できる人、もしかしたら資金を用意できる人だっているかもしれません。

確率としては低いものの、そういったラッキーが期待できるのも、いろいろな人が集まる趣味のコミュニティの魅力なのです。仕事で毎日の時間を使い切るのではなく、好きなコト・モノにも打ち込んでみましょう。

心得4:営業職を経験しておく

一度ITエンジニアになると、なかなか営業職に就くことはないかもしれません。しかし営業職の経験にはたくさんのメリットがあります。

たとえばプロダクトの売り込み方を学べるのは、営業職を経験するメリットの一つです。キャリアの選択肢としてフリーエンジニアを選んだ場合、自分の技術を売り込むのはほかでもない自分です。

しかし、サービスやモノを売った経験がないと、どんな流れで売り込んでいいのかわかりません。営業職の経験はそんな時に必ず役立ちます。

営業職を経験するには、いくつかの方法があります。一つは社内でのジョブチェンジです。

開発職としての出世を狙っている人にはおすすめしませんが、フリーエンジニアや複数の仕事を一人がこなさなければならないスタートアップなどでのキャリアを考えている人には、一番インパクトの大きな方法です。

あるいは、プリセールスのポジションに就くのもアリ。プリセールスなら開発職の経験を活用しながら、間近で営業職の仕事を見ることができるので、サービスやモノの売り方も身につきます。

どうしても開発職にい続けたいという人は、営業担当と積極的にコミュニケーションをとるだけでもある程度の知見は得られます。クライアントのこと、営業に行く前の準備や商談時に考えていることなど、根掘り葉掘り聞いてみてもいいでしょう。

自分の将来を諦めなくていい

仕事中心の生活になり、自分の好きなモノやコトを追いかけなくなると、どうしても「自分の人生はこんなものだろう」という諦めの気持ちが芽生えてきます。

しかしそんな必要はありません。なぜなら、単に見えている世界が狭いだけという可能性が大きいからです。

ここで紹介した4つの心得を胸に、ITエンジニアという仕事をより広い範囲で見て、もっと自由にキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。

[文]鈴木 直人 [編集]サムライト編集部